--> 実践してから説明がつくのと、説明されてから実践するのはどっちのほうがより良く学ぶ? | GENII
タイ・バンコクにあるインターナショナルスクール生のための塾
学習塾 GENII
School for International Success
GENIIの生徒はこちらから予約できます。
     

実践してから説明がつくのと、説明されてから実践するのはどっちのほうがより良く学ぶ?

覚えるのが必要とされる項目を覚えてから、その定着度を試す目的で試験を行う、というのが従来のカリキュラムにおける基本的な勉強のやり方であろう。僕は、暗記型重視のカリキュラムならばこれでいいと思う。英語に置き換えると、単語を覚えて、それから単語の定着度をチェックするためにテストをする、ということだ。理に適っている。ただ、インターナショナルスクールに通う生徒の英語の習熟方法を見ていると、必ずしもそのやり方が良いとは限らないのではと思わせられることがある。

小さいころから英語に親しんでいる子ども達は、圧倒的に実生活から学んでいる英語のほうが多い。友達との会話で出て来た単語が分からない、授業で出て来た表現が分からない、ので、友達や先生に教えてもらうか自分で調べるなりして単語や表現を覚えていく。文法も表現語法も同じ容量で覚えていく。

読解なんてものも、先にいちいち一つ一つの文に対して語彙の説明をしたり文法がこうこうだからこういう意味になる、なんて説明していたら、何年かかっても読み終わらない。なので、感覚的にこの語彙の意味はこうなる、この文法は知らないけど、全体ではこの意味になる、など頭の中で予測しながら経験値を積んでいく。

ただし、今度は経験だけはたくさんしているが、その理屈が分かっていないので、ただしい英語をいつまで経っても使いこなせていない、或いは、受験問題などへの対策においても、英語の「音」や並びがただそうな「感覚」に頼るため、問題の正解が分からない(特にSATなどはネイティブ向けなので、音や感覚で判断したら間違える問題がちりばめてある)、などの問題が生じて来る。この問題が解けるかどうかというのは、慣れ親しんでいるだけ程度ではまったく対処できない場合もあれば、そもそも論理的な思考力自体が備わっていないと高得点などへ結びつかないのでかなり個人差が出るのだが、一般的にはある程度は経験したことの上乗せするように知識と認識の軌道修正するほうが、最終的にはいいのではと思われる。

ここで、「実践してから説明がつくのと、説明されてから実践する」のはどっちのほうが良いのだろうか、というタイトルの話に戻したい。最初に「単純に覚える作業なら・・・」という話をしたが、これにもやり方がある。「範囲が決まっている」のなら、その範囲でのことを勉強しておけば、当面の対策はその部分を徹底的に覚えてテストをすることが望ましいと思われる。

しかし、「範囲が広すぎて絞り込めるような明確な境界線がない」場合(TOEFLやSATしかり)、無駄と思われる部分も含めてやらなくてはいけなくなる。

TOEFLや現代文などもそうかもしれないが、「最新の新発見」や「今まで対象となったことがない新しい学問の分野」での話などになると、予測して先に勉強しておく、ということは不可能に近い。というより、内容に関して言えば、「勉強したことがある」ということはほぼないことばかりになる。その場合、その場で説明される説明文などに頼らなくてはいけないわけだが、それを行うのに様々な能力が有される。例えば、TOEFLならば、英語の語彙、表現語法、などをある程度分かっていないとそもそも何も理解できないのだが、それだけではなく、長い文などの情報を頭の中で整理する能力、状況をイメージする力、論理的思考力(特に、同意部分と相違部分を見分ける力)と、注意力(なかなか気づかないような一言で意味がずれこむ場合などがあるのでそれを見落とさないための)、集中力(長いテストなので)、コミュニケーション力や表現力(聞いたり話したり書いたりするので)なども、高得点に向かうための必須条件となる。これは、もう人間的な能力を高めるしかない、という話になる。

なので、TOEFLなどを鍛えるためには、実際にTOEFLの問題(あるいはそれに近い問題)を解くほうが、範囲を考えて文法などを勉強するよりよほど得られるものが大きいと思われる。なぜ〜のことはこういう答えになったのかを理解することは、何も「英語が分からなかった」、に限ったことではないので(見落としていたのか、意味を勘違いしていたのか、本文の内容がそもそも分からなかったのか、など)その他の能力を鍛える意味でも、実践してから意味を説明され、また実践する、という形のほうが圧倒的に良いと思われる。実際に、昔ためしにTOEFLの問題が全て日本語に翻訳されていたものを生徒にやらせてみたのだが、英語でやるよりは点数が上がったとはいえ、満点を取れた子はいなかったということと、けっきょく同じところを間違えていたということがあった。

もちろん、最低限の英語の実力がないと、そもそもインター校などでは日常生活にも対処できないので、ベーシックな文法や語彙は片っ端から覚えたほうが良いのだろうと考える。その場合には、時間の短縮のために、問題などから入らずに一気に覚える必要のある内容を覚えるようにして、それから試験する、というのも悪くない考えだと思う。

では、どちらがいいのか、の結論に関しては、「場合による」ではないだろうか。

勉強の内容が「覚えること」重視であったとしても、友達と教え合いながら覚えたほうが(実践から先)圧倒的に覚えるので、範囲が曖昧なバラバラの内容のことを埋めるように覚えていくならこれも良さそうに思える。ただ、範囲が限定されている場合、最初に覚えるべき内容を頭に入れてからテストして、完璧にしていく、ということも理に適っている。

インタビューなどの練習においても、実際に喋らせてみて、その上で〜の部分は変だった、とか、〜の部分はもっと簡潔に、といってまた練習、としたほうが、最初にうんちく語るよりも一度経験している分、習熟度が早いのではと考える。これは言う内容の話だけではなく、声のトーン、スピード、表情、判断力・・・と色々なことが全体の出来に関わっているからだと思われる。ただ、話してるだけだと内容が充実しない、ということもあるので、先に戦略を練る、ということも大事な行為ではあるが・・・

GENIIではご要望に合わせて様々のコースをご用意しております。

お知らせ

塾長ブログ